反政府デモへの弾圧が続くシリアについて、国連のパン・ギムン事務総長は「事態は容認できない段階に達している」と述べ、国連の安全保障理事会に対し、事態の打開に向けて取り組むよう促しました。

シリアでは、アサド政権の治安部隊による反政府デモの弾圧で、これまでにおよそ５０００人の市民が犠牲になったとみられます。こうしたなか、国連のパン・ギムン事務総長は、１６日、訪問先のアラブ首長国連邦でシリア情勢について「事態は容認できない段階に達しており、放置することはできない」と述べ、国連の安保理に対し、事態の打開に向けた取り組みを促しました。シリアでは、政権側による弾圧を止めるため、アラブ連盟の監視団が活動していますが、人権団体によりますと、１６日までの２日間だけで治安部隊の発砲などで新たに４０人が死亡するなど、監視活動の成果は挙がっておらず、反政府勢力からは、アサド政権に対する圧力を強めるため国際社会として一致した対応を求める声が上がっています。アラブ連盟は、今週末に監視団の報告を受けて、対応を決めることにしていますが、アラブ連盟の決定は、国連安保理での協議にも影響するものとみられ、その行方が注目されています。