アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンが、和平に向けてアメリカと交渉を行う事務所を中東のカタールに開設すると発表したことについて、アメリカ政府は、交渉はあくまでアフガニスタン政府の主導で行われるべきだとの考えを示しました。 反政府武装勢力タリバンは、3日、アフガニスタンの和平に向けてアメリカと交渉を行う事務所を中東のカタールに開設することで、アメリカ・カタール両政府と基本合意したと発表しました。これについて、アメリカ国務省のヌーランド報道官は3日、「正式な合意は聞いていない」と述べ、現時点では公式には確認していないとの立場を示しました。そのうえで「和平交渉はアフガニスタン政府が主導的な役割を果たすべきだ」と指摘し、アメリカ政府としてはあくまで後方支援に徹するとの考えを強調しました。アメリカ政府は、アフガニスタンの安定のためにはタリバンとの和平交渉は不可欠との立場ですが、その一方で、交渉開始の前提条件としてタリバンに対し、武装解除や国際テロ組織アルカイダとの関係を断ち切ることなどを求めています。アメリカ政府内には、タリバンが和平交渉を進めることで存在感を高め、アフガニスタン政府への影響力を拡大しようとしていると警戒する見方もあり、アメリカは今後、タリバン側の出方を慎重に見極めようとするものとみられます。 |