北朝鮮の軍事的な挑発に備える韓国では、政府がアジア太平洋地域でのアメリカの軍事戦略に変化はないとして、冷静に受け止めていますが、国内では、有事の際に外国から投入されるアメリカ軍の兵力が減るのではないかと懸念する声も出ています。

アメリカの新たな国防戦略について韓国の国防省の高官は、６日に開かれた会見で、アメリカ側から事前に連絡があったことを明らかにしたうえで「アメリカが、韓国を含む同盟国を『アジア太平洋の安全保障の核心』として、協力を強化していくと表明している点を評価し、支持する」と述べました。また、韓国の大統領府の当局者も「アジア太平洋地域でのアメリカの軍事戦略に変化はなく、韓国の安全保障に影響を与えるものではない」と述べ、冷静に受け止めていることを強調しています。その一方、国内の保守派や専門家からは、有事が起きた際に外国から投入されるアメリカ軍の兵力が減り、北朝鮮に対する抑止力が低下しかねないと懸念する声も出ています。韓国には、現在、２万８０００人余りのアメリカ軍の兵士が駐留し、北朝鮮の軍事的な挑発などに備えており、２０１５年には、戦時において作戦を指揮する権利がアメリカから韓国に移されることになっています。