太陽が月に隠されて、指輪のような形に見える「金環日食」が、ことし５月、日本の広い範囲で観測されます。東京では、実に１７３年ぶりとなる貴重な天体ショーで、安全な観測方法を紹介するホームページが開設されるなど、関心が高まっています。

金環日食は、太陽と月、地球が一直線上に並んだ時に月に隠された太陽が指輪のような形に見える現象です。国立天文台によりますと、観測されるのは、ことし５月２１日の朝で、九州南部から四国、近畿、東海、関東、そして福島県にかけての太平洋側の帯状の地域で、全国の人口のおよそ３分の２に当たる人たちが地元で体験できる可能性があります。日本で観測されるのは、昭和６２年の沖縄県以来、２５年ぶりで、本州で見られるのは、明治以来１２９年ぶり、東京に限ると実に１７３年ぶりで、江戸時代以来となります。この貴重な天体ショーを多くの人に体験してもらおうと、理科教師などでつくるグループが、金環日食が起きる仕組みや安全な観測方法などを紹介する、観測の手引きを作ってホームページ上で公開を始めました。徐々にアクセスが増え、関心が高まってきているということで、グループの代表を務める大越治さんは「子どもたちにとって自然の不思議を体験できる大変よい機会になる。金環日食を直接見ると、最悪の場合、失明するおそれもあるので、ぜひ安全な観測方法を知って天体ショーを楽しんでほしい」と話しています。