東京・千葉・埼玉で、知り合いの男性3人を練炭自殺に見せかけて殺害したなどとして殺人などの罪で起訴された木嶋佳苗被告の裁判員裁判が10日から、さいたま地方裁判所で始まります。被告は無罪を主張する方針で、判決までの期間は100日間と異例の長さとなり、裁判員には難しい判断に重い負担が伴うことになります。 無職の木嶋佳苗被告(37)は、平成21年に東京・千葉・埼玉で知り合いの男性3人をいずれも練炭自殺に見せかけて殺害した罪や、結婚相手を探すインターネットのサイトを通じて知り合った男性3人から、合わせて800万円近くをだまし取った詐欺などの罪に問われています。この事件の裁判員裁判が10日午前10時から、さいたま地方裁判所で始まり、木嶋被告は殺人などについて無罪を主張する方針です。一方、検察は有力な物証がないなか、木嶋被告が練炭を購入していたほか、男性の遺体から木嶋被告が処方されていたものと同じ睡眠導入剤の成分が見つかったなどと指摘し、状況証拠を積み重ねて立証する方針です。審理では、延べ63人の証人が予定され、裁判員の選任手続きから判決までの期間は100日間と裁判員裁判としては最も長くなり、仕事や介護などを理由に裁判員を辞退する人が相次ぎました。裁判では検察が死刑を求刑する可能性があり、裁判員には難しい判断に長い審理の負担が伴うことになります。 |