大手生命保険各社は、国内事業が人口減少で伸び悩んでいることから、外国の保険会社に対して大型の買収を実施するなどして、成長が見込まれる海外での事業展開をことしから一段と加速させる計画です。 生命保険業界は、少子高齢化や人口減少によって契約の総額を示す保有契約高が14年連続で減少するなど、国内市場の縮小に直面しており、大手生命保険各社は海外事業を拡大して活路を見いだそうという動きを強めています。このうち、「明治安田生命」は、記録的な円高を活用してポーランドで第3位の保険会社「オイロパ」をことし6月までに350億円で買収します。ポーランドでは、生命保険の市場は毎年10%以上伸びており、ヨーロッパの信用不安が広がるなかでも、今後も加入者の増加が見込まれるということです。また「第一生命」は、早ければことし中に中国で合弁の保険会社を設立し、安い保険料で大きな保障を受けられるいわゆる「掛け捨て型」の商品の販売を行うなど、本格的な参入を計画しています。さらに「日本生命」は、資本参加しているインドの財閥系の保険会社に駐在員を派遣して、現地で主流となっている銀行窓口での保険の販売だけではなく、営業職員による日本式の販売方法の普及に努めたいとしています。ことしも円高傾向が続いているだけに、各社とも海外の企業に対して大型の買収などを積極的に実施することになりそうです。 |